DV離婚の慰謝料金額と認められる条件を総合解説

DVで離婚する場合の慰謝料はいくら?

DV(ドメスティック・バイオレンス)を理由に離婚する場合、慰謝料の相場は一般的に50万円から500万円程度とされています。具体的な金額は、DVの内容や頻度、婚姻期間、精神的・肉体的な被害の程度などによって大きく異なります。

慰謝料の相場

  • 50万円~500万円:DVの程度や頻度、婚姻期間、被害の深刻さなどにより変動します。

慰謝料を増額させる要因

慰謝料を増額させるためには、以下のような要因が考慮されます。
婚姻期間の長さ:婚姻期間が長いほど、慰謝料が増額される傾向があります。
DVの期間と頻度:DVを受けていた期間が長く、頻度が高い場合、精神的苦痛が大きいため、慰謝料が増額される可能性があります。
DVによる怪我の程度:怪我の程度が重い場合や後遺症が残る場合、慰謝料が増額されることがあります。
精神的な苦痛の程度:DVが原因で精神疾患(例:PTSD、うつ病)を患った場合、慰謝料が増額されることがあります。
子供の人数:離婚後に養育が必要な子供の人数が多い場合、慰謝料が増額されることがあります。
DV加害者の年齢:加害者の年齢が高いほど、慰謝料が増額される傾向があります。

実際の裁判例

  • 神戸地裁平成6年2月22日:妻に対する侮蔑の言葉や暴行により、200万円の慰謝料が認められました。
  • 大阪高判平成12年3月8日:妻に対する暴力により、離婚自体の慰謝料350万円、入通院慰謝料100万円、後遺症障害慰謝料500万円、逸失利益400万円が認められました。
  • 神戸地裁判決平成12年(タ)第114号:夫の暴力により、800万円の慰謝料が認められました。婚姻期間が17年と長く、PTSDと診断されるなど、精神的苦痛が大きかったことが考慮されました。

慰謝料請求のための証拠

慰謝料を請求するためには、DVの証拠が重要です。以下のような証拠を集めておくことが推奨されます。

  • 医師の診断書:DVによる怪我や精神疾患の診断書。
  • 写真:怪我や壊れた家具などの写真。
  • 日記やメモ:DVの日時や内容を記録したもの。
  • 第三者の証言:DVについての第三者の証言や公的機関への相談記録。

まとめ

DVで離婚する場合の慰謝料は、50万円から500万円程度が相場です。慰謝料を増額させるためには、婚姻期間の長さ、DVの期間と頻度、怪我の程度、精神的苦痛の程度、子供の人数、加害者の年齢などが考慮されます。適正な慰謝料を獲得するためには、DVの証拠をしっかりと集めておくことが重要です。
DVによる離婚や慰謝料請求でお困りの方は、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士に依頼すれば、交渉窓口は弁護士になりますので、配偶者本人と直接接触する機会を大幅に減らすことができます。