養育費差し押さえの夫への申立てと注意ポイント

養育費の差し押さえ

養育費の支払いが滞った場合、差し押さえを行うことで強制的に回収することが可能です。差し押さえの手続きや注意点について詳しく見ていきましょう。

差し押さえの手続き

差し押さえを行うためには、以下の手続きが必要です。
債務名義の取得: 養育費の差し押さえを行うには、まず「債務名義」と呼ばれる書類が必要です。これは、裁判所や公証役場で作成されるもので、強制執行認諾文言付き公正証書、調停調書、審判書、判決書、和解調書などが該当します。
申立書の提出: 債務名義を取得したら、裁判所に差し押さえの申立書を提出します。この際、債権者と債務者の情報、請求する養育費の内容、差し押さえる財産の詳細などを記載した目録を添付する必要があります。
差し押さえ命令の発行: 裁判所が申立てを認めると、差し押さえ命令が発行されます。これにより、相手方の財産(給料、預金、不動産など)が差し押さえられます。

差し押さえの対象

差し押さえの対象となる財産には、以下のものがあります。

  • 給料: 給料の差し押さえでは、未払い分に加えて将来の養育費も差し押さえることが可能です。これにより、一度の申立てで継続的に養育費を回収できます。
  • 預金口座: 預金口座の差し押さえでは、差し押さえ時点で存在する金銭すべてが対象となります。ただし、将来の入金に対しては再度申立てが必要です。
  • 不動産: 不動産を差し押さえる場合、その不動産を強制競売にかけて現金化する必要があります。

差し押さえの注意点

差し押さえを行う際には、以下の点に注意が必要です。

  • 相手方の職場での立場: 差し押さえが職場に知られると、相手方の立場が悪くなる可能性があります。これにより、収入が減少し、最悪の場合、養育費の減額や免除につながることもあります。
  • 感情的な対立: 差し押さえを行うことで、相手方との感情的な対立が激化する可能性があります。これにより、将来的な話し合いが困難になることもあります。
  • 迅速な対応: 養育費の未払いが続く場合、相手方が雲隠れする前に迅速に差し押さえの手続きを行うことが重要です。

実際の経験談

ある母子家庭のケースでは、元夫が養育費の支払いを怠り続けたため、弁護士に相談して差し押さえを行いました。給料の差し押さえを行った結果、未払い分と将来の養育費を確保することができ、子どもの生活が安定しました。このように、専門家の助けを借りることで、確実に養育費を回収することが可能です。

まとめ

養育費の差し押さえは、未払いが続く場合の有効な手段です。しかし、その手続きには専門的な知識が必要であり、相手方との関係に悪影響を及ぼす可能性もあります。差し押さえを検討する際には、まず弁護士に相談し、最適な方法を見つけることが重要です。養育費の未払いに悩んでいる方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。