うつ状態 離婚と慰謝料・調停・回復の可能性を徹底解説

うつ状態が離婚の理由になるかは、法律上「強度の精神病で回復の見込みがない」と認められるかどうかがポイントです。うつ病は一般的に回復の可能性が高いため、裁判で離婚が認められるケースは限定的です。協議離婚なら双方合意で成立しますが、調停や裁判では「相互扶助義務」や「回復の見込み」などが重視されます。
主な離婚理由（民法770条）

• 不貞行為
• 悪意の遺棄
• 生死不明
• 強度の精神病で回復の見込みがない
• 婚姻を継続し難い重大な事由

うつ状態だけでは④に該当しにくく、⑤の「重大な事由」に該当するかが争点となります[2][3][7]。

うつ状態が離婚の直接原因であっても、慰謝料が必ず発生するわけではありません。
慰謝料が認められる主なケース

• 配偶者の浮気やDV、モラハラが原因でうつ状態になった場合
• 精神的苦痛が立証できる場合

逆に、単にうつ状態で家事や育児ができないことのみでは慰謝料請求は難しいことが多いです。親権や養育費も、うつ状態の程度や回復見込み、子どもの福祉が重視されます[7][8]。

協議離婚が難しい場合、家庭裁判所での調停や裁判を経ることになります。
調停・裁判での特徴

• 調停委員は中立ですが、実際には力関係や弁護士の有無が影響することも
• モラハラやDVの証拠が重視されるが、証拠が不十分だと不利になる場合もある
• 調停委員から「折れるよう」説得されるケースや、経済的理由で弁護士をつけられず不利になることも

精神的DVやモラハラの場合、日記や診断書、警察記録などの証拠を集めることが重要です[4]。

離婚を急ぐ前に、回復や夫婦関係の修復を目指す選択肢もあります。
修復に向けたアプローチ

• 率直な話し合いと相互理解
• 家庭裁判所の「円満調停」活用
• 医師やカウンセラーのサポートを受ける

うつ状態が一時的なものであれば、冷却期間や別居を設けることで関係が改善する可能性もあります。回復が見込めない場合や、相手の暴力・モラハラが原因の場合は、離婚も現実的な選択肢となります[2][3]。

うつ状態で離婚を進める際、見落としがちなリスクとして「社会的な偏見」や「診断名の使われ方」に注意が必要です。
意外なポイント

• カサンドラ症候群や発達障害との関連が指摘されるケースも
• 医学的な診断や第三者の証明が免責や慰謝料請求の根拠となることがある
• 社会的地位や経済力の差が調停や裁判結果に影響することも

離婚理由を「うつ状態」に限定せず、背景にある関係性や生活環境、証拠の有無まで幅広く見直すことが重要です[5]。