法テラスで離婚相談する方法
法テラスの離婚相談の概要
💼
弁護士相談
離婚に関する法的アドバイスを受けられる
💰
費用支援
条件を満たせば弁護士費用の立替制度が利用可能
法テラスの離婚相談の予約方法と必要書類
法テラスで離婚相談を受けるには、まず予約が必要です。予約方法は主に以下の2つがあります。
- 電話での予約
- サポートダイヤル(0570-078374)に電話
- 平日9時~21時、土曜日9時~17時に対応
- オペレーターが資力基準を確認し、面談予約を設定
- メールでの予約
- 法テラスのウェブサイトにある専用フォームを利用
- 24時間365日いつでも予約可能
- 返信に時間がかかる場合があるので、急ぎの場合は電話がおすすめ
予約時には、以下の情報を準備しておくと円滑です。
- 氏名、住所、連絡先
- 相談内容の概要
- 希望する相談日時
面談当日に必要な書類は以下の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 収入を証明する書類(給与明細、確定申告書の写しなど)
- 資産状況を示す書類(預金通帳の写しなど)
- 離婚に関する書類(婚姻届の写し、子どもの戸籍謄本など)
弁護士費用の立替制度を利用する場合は、追加で以下の書類が必要になることがあります。
- 世帯全員の住民票
- 生活保護受給証明書(該当する場合)
法テラスの無料相談で話せる離婚の内容
法テラスの無料相談では、離婚に関する様々な問題について相談することができます。主な相談内容には以下のようなものがあります。
- 離婚の手続きについて
- 協議離婚、調停離婚、裁判離婚の違いと流れ
- 離婚届の提出方法と注意点
- 財産分与に関する問題
- 共有財産の分け方
- 住宅ローンの扱い
- 退職金や年金の分割方法
- 養育費について
- 適切な養育費の算定方法
- 養育費の取り決め方
- 養育費不払いの対処法
- 親権と面会交流
- 親権者の決め方
- 面会交流の取り決め方
- 子どもの意思の尊重方法
- DVや不倫など特殊なケース
- DVを理由とした離婚の進め方
- 不倫相手への慰謝料請求の可能性
- モラハラや経済的DVへの対処法
- 離婚後の生活設計
- シングルマザー・シングルファザーへの支援制度
- 住居の確保方法
- 就労支援の利用方法
これらの相談内容について、弁護士が法的な観点からアドバイスを提供します。ただし、30分程度の短時間相談であるため、複雑なケースの場合は、継続的な相談や弁護士への依頼が必要になる場合もあります。
法テラスの離婚相談後の具体的な手続き
法テラスでの無料相談を受けた後、具体的にどのような手続きを進めていくのかは、ケースによって異なります。以下に一般的な流れを示します。
- 相談内容の整理
- 弁護士のアドバイスをもとに、今後の方針を決定
- 必要に応じて追加の証拠収集や調査を行う
- 配偶者との話し合い
- 可能であれば、まずは当事者間で話し合いを試みる
- 話し合いが難しい場合は、次のステップに進む
- 調停の申立て
- 家庭裁判所に調停を申し立てる
- 調停委員を交えて話し合いを進める
- 裁判への移行
- 調停で合意に至らない場合、裁判に移行
- 裁判所が判決を下す
- 離婚届の提出
- 合意または判決に基づき、離婚届を提出
- 必要に応じて財産分与や養育費の取り決めを行う
- 離婚後の手続き
- 住民票の変更
- 健康保険の切り替え
- 年金分割の請求(必要な場合)
これらの手続きを進める上で、法的な支援が必要な場合は、法テラスの弁護士費用立替制度を利用することができます。ただし、この制度を利用するには一定の条件を満たす必要があります。
以下のリンクで、離婚後の手続きについて詳しく解説されています。
裁判所ウェブサイト - 離婚後の諸手続
法テラスの離婚相談で弁護士に依頼する場合
法テラスの無料相談を受けた後、継続的に弁護士のサポートが必要だと判断した場合、法テラスを通じて弁護士に依頼することができます。この場合、以下のような流れになります。
- 弁護士費用立替制度の申請
- 収入・資産が一定基準以下であることが条件
- 必要書類を提出し、審査を受ける
- 弁護士の選任
- 法テラスに登録している弁護士から選ぶことができる
- 専門性や経験を考慮して選択
- 初回相談
- 選任された弁護士と詳細な打ち合わせを行う
- 今後の方針や戦略を決定
- 具体的な法的手続きの開始
- 調停申立てや訴訟提起など、必要な法的手続きを弁護士が代行
- 経過報告
- 定期的に弁護士から進捗状況の報告を受ける
- 必要に応じて方針の変更や追加の指示を行う
- 解決・和解
- 離婚条件について合意に至る
- 裁判の場合は判決を受ける
- 費用の支払い
- 立替えられた弁護士費用を分割で返済
- 生活保護受給者やひとり親世帯は返済免除の可能性あり
弁護士に依頼する際の注意点として、以下のようなことがあります。
- 弁護士との信頼関係を築くことが重要
- 必要な情報や資料は迅速に提供する
- 弁護士の助言には真摯に耳を傾ける
- 費用について事前に十分な説明を受ける
法テラスを通じて弁護士に依頼する場合、通常よりも低コストで専門的な法的支援を受けられるメリットがあります。ただし、すべてのケースで弁護士依頼が必要というわけではありません。状況に応じて、最適な方法を選択することが大切です。
法テラスの離婚相談で利用できる支援制度
法テラスを利用する際、いくつかの支援制度を活用できる可能性があります。これらの制度は、経済的に困難な状況にある方や特定の条件を満たす方を対象としています。
- 弁護士費用立替制度
- 概要:弁護士費用を法テラスが立て替え、後日分割で返済する制度
- 条件:
• 収入・資産が一定基準以下であること
• 勝訴の見込みがあること
• 民事法律扶助の趣旨に適すること
- メリット:まとまった費用を用意できなくても弁護士に依頼可能
- 返済の猶予・免除制度
- 対象:生活保護受給者、ひとり親世帯など
- 内容:立替金の返済を猶予または免除
- 申請方法:条件を満たす場合、法テラスに申請書を提出
- ひとり親世帯向け新制度
- 概要:立替金の返済免除要件を一部緩和
- 目的:ひとり親世帯の法的支援へのアクセス改善
- 適用:2024年4月以降に援助開始決定を受けた案件
- DV被害者支援
- 内容:DV被害者に対する特別な配慮と支援
- 例:安全な相談場所の提供、緊急時の対応など
- 多言語対応サービス
- 概要:日本語が不自由な方向けの通訳サービス
- 対応言語:英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語など
- 利用方法:事前に申請が必要
これらの支援制度は、利用者の状況に応じて適用されます。詳細な条件や申請方法については、法テラスの相談員に直接確認することをおすすめします。
以下のリンクでは、法テラスの多言語対応サービスについて詳しく説明されています。
法テラスの離婚相談を利用する際は、これらの支援制度を適切に活用することで、より効果的かつ経済的に問題解決を図ることができます。ただし、各制度には細かな条件や制限がある場合もあるため、個別の状況に応じて最適な支援を選択することが重要です。
法テラスの離婚相談は、経済的に困難な状況にある方や法的支援を必要とする方にとって、非常に有用なリソースとなります。無料相談から始まり、必要に応じて弁護士への依頼まで、段階的にサポートを受けられる点が大きな特徴です。また、様々な支援制度を組み合わせることで、より包括的な援助を受けることができます。
離婚問題は複雑で感情的になりやすい問題ですが、法テラスを利用することで、冷静かつ合理的に問題解決に取り組むことができるでしょう。ただし、法テラスはあくまでも支援の入り口であり、最終的な決断や行動は利用者自身が行う必要があります。法テラスの支援を最大限に活用しつつ、自身の状況や希望をしっかりと見極めながら、最適な解決策を見出していくことが大切です。